長浦の薬局「なりまつ薬品」 創業70年、祖父母の意思継ぎ地元に恩返しを

(右から)店長の成松英世さんと成松亜希子さんの夫婦2人で運営

 「なりまつ薬品 さつき台薬局(以下、なりまつ薬品)」(袖ケ浦市長浦駅前2-2-11、0438-63-5858)が2025年に創業70年を迎えた。運営はなりまつ薬品。

 1955年(昭和30年)に現店長の祖父母が「ながうら薬店」という店名で医薬品販売業を始めたのが開業のきっかけ。祖父が経営や仕入れを担当し、祖母が薬種商(やくしゅしょう)として指定医薬品以外の医薬品や健康食品、漢方などを販売していたという。その後、1981年(昭和56年)に現店長の母が、現在の店舗がある場所で化粧品販売を開始。2019年(令和元年)からは保険薬局としてオープンし、調剤や配達などに対応している。店舗面積は約60坪。

 店長の成松英世さんは中学生の頃から薬剤師を目指し、大学卒業後は市販の薬を勉強するためにドラッグストアへ就職。その後は市外の調剤薬局で急性期から慢性期にかけて処方される薬について学び、2019年になりまつ薬品を継いだ。

 お店を継いだ経緯について成松さんは『2018年に祖母が他界し、ながうら薬店を閉店することになった。その際、薬店の利用者が葬式に多数参列してくれて、人が集う薬店の光景を思い出した。祖父母が大切にしていた気軽に立ち寄れて相談できる薬店の役割を継承し、地元に恩返ししたいという想いが強くなり、お店を継ぐことにした』と話す。

 薬局の運営は、妻で薬剤師の成松亜希子さんと2人で行う。複数の病院に通院している方もおり、医師に相談して飲み合わせが悪くならないよう調整などもする。利用者のニーズに合わせて薬剤を用意した結果、現在では1,300品目以上がそろっているのだとか。医師やケアマネジャーの依頼を受け、自宅に訪問して薬剤を届けるサービスも提供する。

 薬局運営以外にも、夫婦で学校薬剤師の活動をしている。小・中学校を訪問し、水質やプールの塩素濃度の検査、教室内の明るさ、騒音、粉塵(ふんじん)の有無などを調査する。『学校の環境や衛生面を整えるのも薬剤師の重要な仕事』と成松さんは言う。

 今後の展望について成松さんは『長浦駅前は高齢化が進んでおりお客さんも高齢になっている。薬局の運営をしつつ訪問での関わりも増やしていきたい。オンラインでのカウンセリングにも対応しているため、在宅にいながら薬を受け取りたい方の相談にも乗れれば』と話す。また『学校では薬物乱用やオーバードーズの講座を担当しており、薬剤師の視点から薬の話をしている。病気に苦しんでいる方が薬を正しく使っている現状も伝えていきたい』と意気込む。

営業時間は平日が9時~18時、土曜日が9時~16時。日曜・祝日が定休日。

なりまつ薬品 さつき台薬局

なりまつ薬品 さつき台薬局【公式...
なりまつ薬品 さつき台薬局【公式】 千葉県袖ケ浦市の薬店です。
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